28歳で結婚し、仕事もようやく軌道に乗ってきた私は、
「子どもは35歳くらいでできたらいいかな〜」と、
どこか楽観的に、ぼんやりと考えていました。
もともと「子どもが大好き!」というタイプではなかったこともあり、
結婚後に「そろそろ子ども考えてるの?」「まだ作らないの?」と
周囲からの好奇心混じりの質問を受けるたびに、
(あ〜、またその話ね…)と心の中でため息。
「コロナが落ち着いたらですかね〜」と、
どこか機械的に、冷めたような返事をしていました。
正直、私は“子どもが得意”なタイプではありませんでした。
公共交通機関でずっと騒いでいる子を見ると、つい眉をひそめてしまうし、
それを注意しない親を見るのも少し苦手。
もちろん、親戚や友達の子どもは可愛いと思うし、
顔立ちが愛らしかったり、愛嬌のある子には自然と笑顔になります。
ただ、どう接すればいいのかが、いまひとつ分からない。
だから、友人の子どもたちにもつい“大人と同じ”ように接してしまい、
気づけば2歳〜12歳の子どもたちにまで名前を呼び捨てにされ、
「今ママがアンパンマンつけてくれるからね!」と
なぜか逆にお世話されることも。笑
でもその一方で、「絵本読んで!」「抱っこして!」と頼ってくる姿には、
正直ちょっと戸惑いつつも、なんだか不思議な気持ちになったり…。
そんな私でも、いつかは子どもを産んで、
自分の家庭を持ち、賑やかで温かい日常を過ごすんだろうな、
という漠然とした未来予想図は持っていました。
でも、
「子育てって大変そう」
「仕事してた方が楽かも」
「今の夫婦の平穏な日々を壊したくないな…」
そんな思いも頭をよぎり、
“今じゃなくていいや”と、つい後回しにしていたのです。
でも——
そんなのんびり構えていた私に、
会社の“お姉様方”は見逃してくれませんでした。
当初は「お節介だな〜…」と少しうんざりしつつも、
彼女たちのリアルな話に耳を傾けるうち、
無知だった私はようやく現実に目を向けることに。
そして31歳のある日、
ようやく「妊娠」について、ちゃんと考えるようになったのです。